右肩下がりのドクターイエロー

なんでもありの日記。ゲーム・アニメ・ネット・妄想の話が多い。記事の半分は冗談で出来てます。

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2013.09.20.Fri

風立ちぬ 感想

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「生きねば」とは、「生きて夢を見続けろ」ということだったのか。
ものすごく美しいものと醜悪なものを見せつけられたようで、非常に気持ち悪くもあり良くもなった。

●行くつもりがなくて感想読み漁ってから見た
「面白くなさそうだから見る予定がなかった」わけではなく(笑)、純粋に都合がつきそうになかったため、ネットに溢れる感想を読み漁りまくってしまいました……w
で、思いのほかロングヒット(いつもこのくらい?)しており、宮崎監督が長編アニメは引退だよ!という発表があったので「い、行かねば」な気分に。テコ入れにのうのうとのっかりました……(ち、違うのかな!?)。感想読みまくらなければ良かったかなーと思ったんですが、読まないとさっぱりわからなかったと思うし、読んだところで評価にはそこまで影響しなかったかなと思っています。
でもここで書いてしまった感想にはとても影響していると思うので、どこかの受け入りや流用が多そうです。ごめんなさい。

●ひたすら、現実と夢を行き来する
構成でしたね。そういう意味では非常にわかりやすかったです。子供の時だけと思いきや大人になってもずっとずっと夢の中にてラストシーンまで夢の中で終わるので、「生きねば」じゃなくて「夢を見ろ」のほうが、いいんじゃないかなと思うくらいでした。でも「生きねば」というのは「生きて夢を見続けろ」ということなのですかね。
ずっとずっと夢のなか。醒めない夢の中にいて、ブレないなあと思いました。この作品が夢みたいなものだからでしょうか……。

●イケメンが主人公だよ!!!!!!!!!!!!
主人公の堀越二郎さんはとんでもないハイスペックイケメンでした。白状しますが、正直、乙女ゲーで出てきたら惚れるタイプです。
幼少の頃から飛行機が大好きで辞書ひきながら外国の雑誌を読み、ド近眼のビン底メガネがちょっとキズ、になんかなりません。ガリ勉タイプかと思ったら上級生背負い投げしていましたよね。あれで「欠点ないの?もしかして文武両道クソイケ登場ですか?」と沸き立ちました。
その後も関東大震災列車事故でけがしたおキヌさんを背負い爽やかに去ったり、配属されたばかりの部署で新人らしからぬ有能さを見せつけたり、深層の令嬢と恋に落ちたり、私が見ているのはドリーム小説の相手役か何かなのかな?と、くらくらしました。
ジブリにはさんざんイケメンが登場しましたが、何だろう、二郎さんには弱みとかないのかなってくらいクソイケでした。妹との約束をことごとくスルーするヤバげな部分をチラつかせますが、とにかく葛藤が見えない。
自分の作っている飛行機がやがて人を殺す道具になることも、菜穂子さんの結核を悪化させるとわかっていて結婚してしまうことも、フツーだったらわかりやすく葛藤させるものなのに、それがない。映画や物語で感情移入させるための演出として恰好の道具である「人間らしい葛藤」をほとんど見せずに終わります。
「すごいなー!!!」と思いました。というのも今までの作品にはあったのに、わざと抜いたってことですからね、視聴者を振るい落としているように見えるものの、親切心を失くした結果が夢なんだな、で納得してしまいそうで怖い。

●反戦ではなく、飛行機への愛情表現のための演出か
飛行機は人を殺す道具になる呪いを背負っていると最初から言われますし、その通りにお話しは進んでいきます。
しかしながら、飛行機好き!ってことを訴えるために、この時代を選んだのかなという妄想をしてしまいます。まったく詳しくないからあてずっぽうで書くんですが、1920年代というのは、日本の飛行機がどんどん進化してどんどん美しくなっていった時期だったんでしょうか。木と紙で出来ていた日本の飛行機が、ドイツに行ったあと鉄鋼になり進化する様は見てて確かに面白い。くどいまでの機構解説のシーンはわくわくしますよね。何より二郎が異常に飛行機を愛してる。だって美しいから。
人を殺す道具だろうが、美しい。残酷だろうが美しい。
美しいもんは美しいんであると、最後まで一貫していました。一度だって「こんなもの」とはならなかった。飛行機を否定しなかった。

●美しい映像と致死量を超えた純愛と、負け犬の持つ胸糞感
飛行機が飛ぶシーンにある真っ青な青空とか地上とか、吐くくらい綺麗ですよね。でもそれ以上に綺麗すぎるのが純愛でした。ヤバイ。純愛すぎてヤバい。マジヤバイ。出会いのシーンとかヤバイ。二等車に乗るお嬢様が帽子を捕まえてくれるのヤバいし、二郎さん助けてくれて王子様になってくれるのヤバいし、結婚のシーンの菜穂子さんの神々しさヤバいし泣きそうになった。美しくて美しくて、宮崎監督の少女愛じゃない女性への美意識みたいのがばりばり伝わってきた。幸せなんだろうでも同時に悲劇なんだろう、美しさで悲劇を際立たせて同時に胸糞悪くもなって辛かった。その後の生活も辛かった。二郎さん菜穂子さんに「綺麗だ」言い過ぎですよねそりゃ汚い自分なんか見せられなくなりますよね。
わかりあえなくて嘆いたり、みっともない部分を見せたり、年老いたり弱っていく姿だけが結婚じゃないんだ……。だってこれは夢だから。
菜穂子さんの元気な時にはジブリヒロインの明るさと、病気が進んだ時には病弱お母さんの美しさが入ってた。と思うと完璧ヒロインということなのかなあ。病気が進行した時のほうが美しさが際立っていますよね。お化粧もしているけれど何より美しいままでいたいという気持ちの表れなのでしょうか……。
かといって菜穂子さんが不幸せかというと、そんなことはなく限られた時間で精いっぱい愛しました、やるだけやれましたということで、菜穂子さんも現実に生きながら夢を見続けていたのでしょう。ものすごい葛藤があっただろうけれど、それもやっぱり見せずに。
あとどうでもいいけど、山の中のサナトリウムって民間療法(?)なのか、雪山の外で寝かせるってすごいハードなことしてんなってそこ驚きますよね。
あらゆる意味で潔癖で、視聴者の入る隙のない、まるでドリーム小説のような、なんて表現したらブン殴られそうですが、それくらい徹底した作品だなーと思います。だから、見ているこっちは「そんななんでもかんでも夢見たままに実行しようとしないの!するんだったら葛藤して!」と負けそうになる。というか私は負けました。

●わあい庵野監督の声あかり庵野監督の声だいすき……?
覚悟はしているものの実際聞くと「うわあ」ってなりますね。二郎さんそのクソイケっぷりでこの声ー!となるんですが、聞いているとだんだん「うむこの声だ」となってしまう庵野マジック。一説によると庵野監督は正直だから、宮崎監督はその正直者の声が使いたかったんだとか。感情が豊かに伝わってくるわけでもなくうっとりもしないこの声が二郎そのものだなーと最後なってしまいます。
現実に生きながら夢見るように生きているその姿は、気持ちが良いだけのエンタテイメントじゃないからですかね。


「生きねば」とは、「生きて夢を見続けろ」ということだったのか。むしろ「うるせえ俺は生きて夢見続けてやる」ということなのかも。
ものすごく美しいものと醜悪なものを見せつけられたようで、非常に気持ち悪くもあり良くもなった。矛盾そのものをここまで来て描ききったのなら、言うことありません。

と言えるのも、引退宣言聞いた後に見たせいでしょうね……。聞いた前と後では評価が割れそうな気分です。
楽しいかというより美しい、面白いというより首をかしげる、
安易に理解を示していいものか謎なんですが、駄作とか酷い作品とは思いませんでした。ですがもう一度見に行けるかと言われたらしんどいかなと。そんな感じでした。

むしろ、予告のかぐや姫の物語がたいへん気になります!鬼のような形相で走り抜ける姫が部屋を抜け屋敷を抜け竹林を抜け転がり落ちてやがて服まで脱ぎ捨て、走り続ける。殺さんばかりに空を睨んであなたは何から解放されたいの。そんな彼女を見つめるのは「満月」――。だなんて、なんと上手な予告だろう。これはネタバレせず見に行こうっ……!
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