最近読んだ本の感想です。
●艦隊これくしょん -艦これ- 陽炎、抜錨します! KADOKAWA / エンターブレイン (2014-03-20)
売り上げランキング: 3,884
数ある艦これメディアミックスのなかでも評価が高い(気がする)作品。3巻まで読みました。
あまりスポットの当てられない(?)陽炎を主人公とし、曲者・余りもの揃いの第十四駆逐隊の面々とてんやわんや喧嘩したり訓練したり協力したりでもそこまで慣れあわないのがCOOLな感じですね。あんま百合っぽくないというか……。艦娘の設定についても史実とは切り離し「ふつうの少女が艦娘になる。その際、過去の自分の名は捨てる」という設定のようです。鎮守府の中についてもあくまで組織というか、駆逐艦同士でプライドを張り合ったり、軽巡は近い(けど怖い)存在だったり、重巡だとちょっと離れていて話しやすかったり、鳳翔が飲み屋をやっていたりそこで空母が呑んでいるようだ……と、それぞれに「距離感」があります。ゲーム原作等で見られる姉妹の甘い関係(?)もこちらでは薄め。あくまで「敵と戦う仲間・組織の人材」って感じで、なかなか渋い。サッパリ。でも、アツい!
可愛いだけじゃない、駆逐艦のプライドやきっつい個性を味わいたい方にお勧め。
●ぜんぜん気にしない技術
家入 一真 森田 正康
クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
売り上げランキング: 93,000
かたや高学歴・かたや元ニートのある意味対極に位置するお二人が「自分に正直に生きる」をテーマに対談されています。割とまっとうな内容だったせいか印象に残っていませんごめんなさい……。(おそらくもっとトリッキーなことを期待していた模様)
●日本の10大新宗教島田 裕巳
幻冬舎
売り上げランキング: 51,905
日本は八百万の神がざっくり浸透している多神教(?)ですが新宗教もたーくさん!その中でも有名な新宗教の成り立ちや社会とのかかわりについて書かれています。あの良く見る新宗教ってそんなところから、あらそっちまで、え、そっから来たの!?そんなことで(失礼)!?と、無宗教だと楽しめます。私が信仰とか宗教の話なんで大好きかっていうとオタクも似たようなもんだからです(皆、祭壇とか作るしお布施はするし信者同士で集まるし心の支えにしますよね)。ジャンルの中でカプや解釈の派閥があるように宗教もどんどこ宗派が分かれていくのもそっくり……。身につまされます。でも共通して思うのは「何かを信仰し、畏れ、時に依存し、時に失望し、それでも信じていたい」ってのは本能なんだろうなって思います。
●ミス・ファーブルの蟲ノ荒園(アルマス・ギヴル) 物草 純平
アスキー・メディアワークス (2013-06-07)
売り上げランキング: 218,051
最新刊まで読みました。あるんだろうけど、ラノベでもスチームパンクものってあまり話題にあがらない。設定が化学と魔法で幅が広すぎるから「共通イメージ」が確立されていないせいかな、などと妄想してみたり。
自称・ムシ好き女のアンリ・ファーブルが剣客少年のけいたろうと共に世界に影響を及ぼしつつある「蟲」、そして蟲と人間のハーフである「ミルメコレオ」を相手に、パリを舞台に冒険活劇しまくります。ホライゾンほどではないですが、かなり分厚く読み応えあり。というのも、設定がたーくさんあるから!可愛いヒロインたちも出てきますが、モテモテというより友情や信愛って感じですので萌えは薄め。そんなことより舞台設定が細かく、まだまだ詰まれているのかなと。
藤ちょこ先生のイラストだけでも華やかなので映像化したらすっごいんだろうなと思うんですが、うん、難しい!と思います。次はアメリカ編でしょうか。
●フレイム王国興亡記疎陀 陽
オーバーラップ (2014-04-24)
売り上げランキング: 344,463
「なんとなく」で異世界に呼び出された「勇者」は、なんと26歳やり手銀行員でした。行き場のない銀行員はフレイム王国のさびれた町の経済を建て直しを引き受けますが……という、なんだろう、異世界町興しファンタジーとでも表現すればいいのかな!?剣も魔法もないですが、なんとか頑張って町の経済を建て直すよ、そのためにはまず商店街の人々を動かし教育し、他の町からの刺客(といっても取引相手)とてんやわんや頑張らなきゃなりません。「お金」とか「税」についてなんとなーく学べるのもラノベっぽくて良いですね。
●仏教学校へようこそわかつきひかる
ホビージャパン (2014-03-29)
売り上げランキング: 477,885
奈良にある仏教学校に入学した主人公が、おっかなびっくり仏教に触れつつ学校生活をエンジョイ(?)します。お寺に住む幼馴染や、華道の家元の女の子、花屋(お葬式で使うあれです)のギャル等々、「仏教」に縁のある友達と共に、なんだかそれに乗りきれない自分に葛藤を抱えつつ、どう受け入れていくか――。「宗教ってなんかキモチワルイ」をわかりやすく優しく乗り越えさせてくれます。
●六花の勇者山形 石雄
集英社 (2011-08-25)
売り上げランキング: 5,050
3巻まで読みました。「おすすめのラノベって何?」で検索すると良く出てくるファンタジーミステリー作品。アニメ化だそうです。おー作画的にもシナリオ的にも挑戦的かと思います。世界を救う「6人」の勇者が集まったと思ったら「7人」集まっちゃった!?さて偽物は誰なのかと、心理戦・ファンタジーバトルを含めつつ犯人捜しが始まります。1巻でもだいぶまとまっていますが、続編でもまだあるまだあるって感じで勢力図もややこしくなってきた。誰かを信じる・疑うで葛藤するってのは神経がすり減りますね。「信じる」ことに理屈は通用しないのだということも含めて。
●覇剣の皇姫アルティーナ KADOKAWA / エンターブレイン (2013-04-15)
売り上げランキング: 6,802
母親が平民出身の第七姫アルティーナは、本の虫である軍師と共に、国の平和のため王を目指します。が、ただでさえ14歳、ただでさえ女の子の彼女が王を目指すには、まず兵を納得させ将軍を納得させ、くせの強い腹違いの兄共と戦わなければなりません。ファンタジーしつつも政治問題や権力争いといったちょっと渋い題材も軽くさらっと読ませてくれます。
●切れない糸坂木 司
東京創元社
売り上げランキング: 78,696
クリーニング屋の息子である主人公は、父の死をきっかけに跡取り兼バイトとして実家のクリーニング屋で働き始めます。すると、あんまり好きじゃなかった実家の仕事についてや、商店街やお客さんとのつながりが見えてきます。職業ものとしても、クリーニングとして出される「服」から見えてくる事情を考える日常ミステリーとしても秀逸です。そしてあれこれ相談に乗ってくれるカフェバイトの友人との関係が最高です!!
ほかにも色々読んだり投げたりしていますが、力尽きました。今回はここまでで……。