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右肩下がりのドクターイエロー

なんでもありの日記。ゲーム・アニメ・ネット・妄想の話が多い。記事の半分は冗談で出来てます。

2013.11.29.Fri

かぐや姫の物語 感想

かぐや姫の物語 [Blu-ray]
ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社 (2014-12-03)
売り上げランキング: 5,507


2時間超えの大作ですので、お手洗いに注意が必要かもしれません……。

隣の方(妙齢の女性)が30分ごとに溜息ついてて、憶測ですがきっと退屈なんだろうな、と思いました。
何故かというと、こちらの作品はおそらく皆がぼんやり覚えている「竹取物語」の大筋を、あまり離れずに結論まで持って行っているのですね。なので、「あーこういう風にしたのね」とか「絵が綺麗だなあ」とかあるんですが、大筋は変わらないのであまりびっくりしないというか……淡々としているかなと。山と落ちが見通せた状態なので、お話しとしてハラハラはしないかもしれません。

私としては竹取物語の大筋を守りつつ登場人物に明確なキャラや葛藤を与えて、人情的に理解できるようにした作品である、と思います。
また色々レビュー読んでからの見解だと、解釈に仏教思想が入るんですとか。なので、「姫の犯した罪と罰」「姫は何故月に帰らなければいけないのか」部分は、もしかしたら仏教思想にちょっと理解がないと難しい、のかも?もちろん無視して想像する!でもまったく問題ないかと思うのですが。(というか見る人も色々なのでそこを許してほしいとも思ってしまったり笑。でも好きな人はそれで低評価になるのが耐えられないのでしょうね。難しい)

「お話しとしてハラハラしません」とは書いたんですが、かぐや姫の誕生から、彼女がどれだけ翁や媼に愛されたかや、思い人がいたことによる葛藤(ここはオリジナルですね)、山や土や鳥などの自然を愛していたのに都で過ごさなければいけないことへの不満、自分の意思とは関係なく誰かのものにならなければならないことへの抵抗……等々、主に女性が(ぼんやりしてるなーすみません)共感・感情移入しやすく作られているので、キャラクター的にはハラハラするシーンはいくつかあります。
それこそ地獄のような苦しみにシンパシーを感じるかもしれません。
で、竹取物語の大筋は外れません、ですので、かぐや姫はきちんと月に帰ります。
ですが、地上をどんな風に愛していたのかをしっかり訴えかけてくるので、メッセージ性は明確ですね。
「汚れた地上でも、生きることは素晴らしい」って。
デカイ。
え、テーマ、でかいね。やっぱそこなんだ……?と、思ってしまった私をお許しくださいー!!
いや途中から「結構大筋変えないなーこれってフツーに月に帰るんじゃね?」って思って、案の定帰るんですがその際、地上への愛を熱く語ってくれるし、もちろん翁媼はひきとめるため大泣きなので非常に納得!なんですが、なんかこう「そもそも論」を語られてしまって、伏線もあるし理解は出来るんですが、なんか優等生だなーと思ってしまいました。

かぐや姫を始め、どのキャラクターも漫画っぽく、可愛らしく、ちょっと愚かだけど嫌われないように作られている、と思いました。それこそ、姫の幸せを勘違いしちゃってる翁や(でも時代背景考えれば当然ですしね)、口うるさい相模殿や、求婚してくる公達とか、諸悪の根源(嘘です、でもきっかけは彼なのでは笑)帝も、欠点がありながら、可愛らしくおとぼけな感じです。ですので、いかに地獄のような苦しみを味わっても、かぐや姫ひいては映画を見ている人も地上で生きることを否定出来ないようなつくりになっているなあと思いました。あとお付きの子がおもしろくて好きだった(って人は多そう)
また、好みにもよりますがかぐや姫がとても可愛い。声がとても合っているんですよね。美人だし。彼女の抱える葛藤も、正直、とてもわかる。なので、どうか、かぐや姫が幸せになればいいなあとかふわふわ見ていると、うん、あの結末からは逃げられないってかと思ってしまうのが辛かった。かぐやは幸せになれないのかーみたいな、萌えキャラが不幸になってしまった悲しさがありました。
ご都合主義的に幸せになってしまったら、それこそジブリなのに子どもに見せられないものになってしまうかもというリスクもありますし(間違った知識が広くあまねく浸透してしまう)、評価も下がってしまうかもなーと思いました。なので、結論への持っていき方とか、感情移入のさせ方、テーマの語り方はすごく「正しい」なーさすがだなって思う反面、萌えキャラに壮大なテーマを語られてしまうちぐはぐさが残ってしまいました。
まあ、多分、かぐや姫に萌えちゃった私が悪いのかなあと……(笑)
萌えキャラじゃなければ、生きることは素晴らしいって語られても、うんそうだよねって思ったりするんですが。萌えキャラにはその子の願いがいかようにか叶うか、それに近づけば良かったかなって、というのはあくまで好みかと。

地上で生きるのは素晴らしい。ですよね素晴らしい。わかるんですけど、なんかものすごく狭い世界で狭い悩みに苦しめられている身としては、理解はできてもその場では共感ができない感じでした。キャラクターに感情移入しただけ余計に。週の半ばで、すぐに現実に帰らないといけないのも良くなかったのかもしれません。気持ちに余裕を持って、大きなテーマを受け止められる精神状態で見れば良かった!

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2013.11.19.Tue

ゲームを買う決め手から、オタクグッズを身に着ける理由

●ゲームを買う決め手から
ゲームを買う決め手とは何だろうみたいなお題がTwitterで回っていたような気がしたので、ちょっと考えてみました。
乙女やBLに偏っている友達からは「雑食」と評されますが、任天堂やMH等の話題作をプレイしない身としては、自分はかなり保守的で雑食とは言い難いよなーと思っています。それにつけてもADVゲームが好きでそこに偏っているからです。ですが、ADVゲームに限ってみれば、今のところ乙女BL男性向け一般向けとプレイしているので、「雑食」と評されても納得かもしれません。本当は自信がないのですが笑。
とはいいましても、ADVゲームのプレイ歴がものすごく長いわけでもなく、最初から雑食だったわけではありません。
遙か3をきっかけに乙女ゲーを狂うようにプレイし、新作に飛びつきキャラに心酔しイベントに参加する日々(は、今もちょっと続いていますがw)を過ごすものの、30本程度で刺激や環境に慣れたせいか(?)つまらなくなります。そこで「男性向けだったらなんかすごく評価高い作品がいっぱいある!」と薄らぼんやりしたイメージからSteins:Gateをプレイ。面白かったため、またしばらく男性向けをプレイ。その間、友達に薦められた神学校が面白く、BLも評価が高い過去作があるためBLゲームをプレイ。その間、乙女ゲーに執着しつつも新しい刺激に慣れきった私のなかで乙女ゲーの評価が段々と下がってしまうにも関わらず市場が急速に拡大。ついていけなくなります(笑)そうこうしているうちに感想ブログを見ていると、同人ゲーがAmazonで買えるらしい、DLすればすぐ出来るしフリーならタダでもできるようだ!とインフラの簡易さも手伝って同人ゲーにも手を出し、現在に至る。
というわけで、飽きたら他、飽きたら他、とやっているうちに雑食のような状態になりました。
つまり原因は飽きっぽさにあったということです。
乙女なら乙女だけ、BLならBLだけ、一般なら一般だけと拘ってストイックにプレイできる方というのは、おそらく飽きずにプレイできるのだな、と尊敬の念すら覚えます。
ここで「どんな作品でも楽しめる」とか「作品の評価に寛容である」となれば理想なんですが、むしろその逆で、やればやるほどわがままになってしまい、乙女~一般~同人まで間口を広げれば、それこそ一生かかっても遊びきれないADVゲームがある、と気づいた結果、「このわがままが満たせるのかもしれない。ラッキー」という駄目な方向への自信がついたのでした。
そこで、雑食に、かつ、新作は様子見し、たまに旧作をプレイする理由を考えてみました。

・評価の定まった旧作をプレイ
 ⇒プレイした人数が多く、すでに評価が積みあがっているので、多少合わなくてもクオリティにあまり心配がない。大人数がプレイしていると「合わなくても、褒められる」理由に大体納得できる。
・新作は評価が出たらプレイ
 ⇒初期費用軽減のため。昔は新作を予約していたのですが、新作に特攻しつまらない思いをする経験を積んでしまい、「自分の嗅覚があまりにアテにならない」「この値段(初回限定8000円オーバー)でこの満足感」という葛藤を抱え、結局様子見することにしました。それでも未だに失敗します。
 ⇒とてもそうは見えませんが(笑)、実はゲームプレイ時間減少傾向にあり、新作に特攻しても取り掛かれないケースもあるので、評価が出るまで他のゲームしてようかなということが多くなりました。だらだらと色んなゲームをしているのが原因かもしれません。積みゲーならぬDLしただけの同人ゲーが多いのが一因か。
 ⇒新作の話題に乗り遅れても問題がない。特定のコミュニティにどっぷり浸かっているわけではないので、「皆の話題に乗り遅れる」感がすっかり薄くなりました。というか、以前は乗り遅れたことに焦りを覚える体質だったので、その体質を直すため環境から変化させたというのもあります。忍法孤立無援(というわけでもないですが)。お陰様で、ビッグウェーブに乗らなくても平気になりました。ビッグウェーブを眺めに行くのは大好きです。
   
というわけで、プレイスタイルやゲームを買う決め手、というのはその人の体質や環境に左右される!というのがわかりました(作文)乙女の祭典AGFも毎年自宅のお布団からエア参加しており、いまいち縁がなくて本当はちょっと寂しいんですが、レポートを読んだりお土産話を聞くだけで相当楽しいです(エントリにすると皆3部作くらいになってて濃すぎる)。いつかは行きたいような、目的を見つけるまでが長そうな気がします。コミケと同じで明確な目的がないと真の苦行になることが予想されるため、おそらく生半可な気持ちでは参加しないと思っています……

●ゲームの進捗どうですか!
夏からしばらく女性向けが続いたので(同じ刺激に飽きたので)、そろそろ男性向けをプレイしたいなー長くて評価の高いやつ!ということで「久遠の絆 再臨詔(PSP)」をプレイする予定です。PSPで男性向けPC移植という条件でも山のようにゲームが出てきて選ぶだけで疲れました。この世にはゲームがいっぱいあるのですね。
合間に同人ゲーもプレイしています。「SNOW WHITE ECLIPS」をちまちま進めています。立ち絵なし選択肢なしのビジュアルノベル。クリアできたらいいなー。

●カンバッチをたくさん着ける、グッズを普段使いする
かつて「オタク」の印象が悪く社会的に虐げられてきた経験を持つ世代は現在の手のひら返したよーな昨今のオタクオープンな状況に戸惑いつつ、若い世代のフランクさにビビることがたまにありませんでしょうか。乙女の聖地(?)池袋でも、乙女ゲーのキャラクタのカンバッチをたくさんつけた子が居てびっくりした、という話は本当に良く聞きます。
あれってすごいよね。あんなオープンなことをして学校でいじめられないんだろうか、などと、同世代とは話題に昇ります。
で、なぜそのようになったのか。自分の持っている仮説として

・動画サイト発展やスマートフォン普及の影響で、オタクコンテンツへのアクセスが容易になり、もはや学校で欠かせない共通の話題になった。それこそかつて自分達が友達との話題にあわせるためドラマや雑誌を読んでいたように、今の子も「共通の話題」としてアニメや漫画を嗜んでいるのではないか

というのがありました。
それに最近一個追加されました。

・スポーツファンが応援しているチームのユニフォームや帽子をかぶるように、カンバッチやグッズを身に着けている

という仮説です。
というのも、最近テレビを見ていたら楽天優勝のドキュメンタリーを放映していて、「東北に住んでいる年配の方がユニフォームや帽子にカンバッチつけて一生懸命応援するんだよねー」というコメントが出ていて、「まさかこの現象が起きているのか?」と思い込んでしまったためです。
私はこのチームを応援しています、と同じ感覚で、あれらは身につけられているのかと思うと納得感が増します。確かにスポーツファンの方なら関連グッズを身につけたり選手の写真を持つのは当たり前で、それでからかわれることはないでしょう。そして、オタクコンテンツでも同じことが起きているのかもなーと思いました。ましてやオタクに優しい(?)池袋ならもう何も怖くない――のかも?普段使いについては、ちょっと予想しきれませんのでまた今後。
いずれにせよ、スポーツの応援チームのように、作品への思い入れも涙を流すほど深いものに、なるのでしょうか?
それにしても、以前お知り合いとの話題にあがったのですが、池袋はいつからオタクに寛容になったのか。新宿は歌舞伎町、渋谷はセンター街、池袋はどこだったか忘れたけれど、どちらかというと都内でも派手で治安はあまり良くないとイメージされる地域でした。池袋ウェストゲートパークだし!ですが今やすっかりオタクで(終わりのない)地域振興のような状態です。道端のキャッチも減ったような気がするのは、いや自分が老けたせいか……。
2013.11.17.Sun

Si-Nis-Kanto 感想



公式サイトに行っても、なるほど内容がわからん!と思っていたのですがその際お知り合いに教えてもらったのが「マフィアと極道に取り合いされる話」という内容でした。
な、なるほどーここでもマフィアか。BLには何故マフィアものが多いのだろう。自分はマフィアものの良さを理解していないから、ちょっと様子見かな~と思っていたところ、評判が上々ということで購入しました。
結論から言うとマフィアものを理解していなくても大変わかりやすく楽しめました~!自分を引き合いに出して申し訳ない限りですがマフィアものピンとこねえ!って方でもいけるんじゃないでしょうか(自分基準)

あらすじは以下の通り。
――――――――――――――――――――――――
北の果て、絶海の孤島。

世界中を巻き込んだ戦争が終わって間もない「冬の時代」。
親を失い、居場所を失った子供たちが集まる”楽園”があった。

隔離された島で送る短い青春時代――。

マキは親友のエシカとともにこの島の寄宿学校で日々過ごしていた。

少しだけ退屈で、けれど平和で大切な時間。
そんなある日、島に見知らぬ男たちが現れる。
彼らはためらいもせず、マキ達に銃口を向ける――。

(公式サイトから引用)
――――――――――――――――――――――――

●非常にわかりやすい、丁寧な状況説明
マフィアものピンとこない理由に、おそらくマフィアや裏社会ものの作品に馴染みがほとんどなかった、というのが一因かなーという気がしたのですが、ちゃんと状況説明されればわかるんだな、ということを学習しました。と、思うくらいシニシカントの状況説明は優しく、「察しなさい」ということが少ないです。
こういう社会情勢で、この島はこういう状況で、こういう勢力があってこういう役割があるから、今喧嘩してるんだよ、という説明をかなり丁寧にしてくださり、すごいわかりやすくて「そっかー」と納得しながら進められたのが良かったですね。各勢力にも名前や代表者・立ち絵がちゃんと用意されるので(声はあったりなかったりです)「ああこの人はどこ組織の誰々さんね」と認識できるので目で見てもわかるというか。公式サイトやゲームのCONFIGでもキャラクタ数の多さに度胆を抜かれると思うのですが(私は抜かれました)、それもこれも世界観や状況を説明するためにしっかり機能していて、おかげさまで悩まずにプレイ出来ました。
なのであの大量にいるキャラ、そのほとんどは実は恋愛に関係ないドラマ用キャラクターなんですよね。それをあそこまでちゃんと用意できたのは、私のように上手く察せないユーザーのためなのか何なのか、ヤマダ先生の筆がのっちゃったのか。とにかく説明の一助にしっかりなっていたと思いました。

以下からキャラクタ別。

●キャラクター別
あんだけキャラクターいても、ルートのあるキャラは何と3名!途中で分岐して他キャラEDにも行きます。
(メイン)はメイン攻略対象で、(分岐)は分岐して攻略できるキャラです。気になった部分だけ。

・マキ(主人公)
純粋かつ芯の強い真っ直ぐ系主人公。向こう見ずなところもありますが、ニュートラルです。
運命に翻弄されつつ、状況に戸惑ったり受け入れたり抵抗したり、マキと一緒に泣いたり笑ったりするのがストレートに楽しめる……のかな?
主に性的にまた立場的にあるいは力的に押さえつけられつつ、周囲の心を動かすさまはまさに主人公!あんたがヒーローや!波多野氏の舌ったらずな喋り方も最初はちょっと気になったけど慣れれば可愛くなります。

・カルロ(メイン)
一番華があるのはこの方か。
なんかこう絵に描いたような(実際に描かれてるんですが)マフィアマフィアしいデザインで、しかもちょっと古い感じがいいですね。中身は狡猾・残虐・計算高く・人間不信と、学もあり人の気持ちを巧みに操り蛮区を手に入れようとするハイスペック兄さんです。一発目から主人公の処女を奪ったり試したり気の抜けない相手なのですが、一度ほだされるとやっていることは結構少女マンガで、安心して見ていられました。
毒々しい外見に反し、他キャラルートでも、どうも保護者的ポジションにあげられやすく、「あーまたカルロに頼っちゃった」という気持ちにさせられます。
どうしてこんなヒドイ奴に!でも好き!の、くっついたり離れたりの繰り返しが見たい方におすすめ。ルート的には一番優しい内容でした。

・ユーゴ(メイン)
お前の命を奪うけど、敬意は払うし気に入った!何だそりゃ黒蓮会の若頭!と第一印象「戸惑い」に、いつまでも苦しめられるルートでした。重い。ユーゴのルートはえんえんと心のなかがざわついて、どんな幸せなシーンもほの暗い未来が待っていてしんどかったなーという。もしかして差がないのかもしれませんがカルロの1.5倍くらいの体感時間でした。ユーゴ自身の性格の良さや不器用なところに好感を持ちつつ、人として欠落してしまった部分もしこりとなって残ります。
ややこしい事情はありつつつも、目の前のドナーの正体は、実は●●だった!?というスタンダードな構図なので、葛藤もわかりやすかったです。

・エシカ(メイン)
出、出~~ww主人公の傍にいる得体のしれないくらいハイスペックな親友wwww
と、草が生えそうになるくらい萌えました(素直に)。共通ルートでプレイヤーの気持ちを掴みつつ、カルロとユーゴを攻略しないと彼のルートは開きません。一体エシカを攻略するために何人のプレイヤーが根性出したのかなと思うくらい、ものすごい萌えキャラですね。また真相も兼ねているようです。彼の「GOOD END」が大方本筋で良いのでしょうか。
マキに対する甘やかした優しい態度と、好きでも心の内を見せないガードの固さと、マキ以外に対し出る気が強くクソ生意気な態度のギャップが面白い。

・イリヤ
カルロ→ユーゴと入ると同行者がエシカじゃないことに軽く絶望しますが、とんでもねえイリヤ様はめっちゃ頼りになる友達だった!可愛らしい外見と生意気な口の利き方におそらく第一印象は「あーこれ系かー」となるのでしょうが、ユーゴのルートでのきっぱりした物言いや絶望から這い上がる力強さに「キャーイリヤカッコイイ」になれます。多分。
ユーゴルートでのしっかりぷりを見ておくと、エシカルートでの最後の活躍も納得ものです。

・エド(分岐)
エドが全ての黒幕じゃないか。そう思っていた時代が私にもありました――。と思うくらい、ちょくちょく重要な場面で出てきて周囲をけん制してなんか得体が知れないなーと思っていましたが、彼も彼で欲しいもの大事なもののために動いていたのですね。
分岐した彼のルートで「今後こそ本当に恋に落ちよう」ってところに、彼は最後まで本気じゃなかったということが伺えます。スペシャルで見れるイラストの、マキの表情がなんとも辛い。

・ジーゴ、ヴァレンタイン
この作品の一番のバランサーなのかな……。と思うくらいの癒し担当だった。どんなシーンでも彼らが出てくると安心してしまった。ZENCAに属しているわけではなくカルロとの個人的な契約とのことで、その関係の薄さが警戒心の強いカルロにとって気の置けないポジションだった、というのも納得です。どんな場面でもカルロの顔ばっかり気にしているヴァレンタインと、エシカばっかり気にするジーゴのブレなさがなんか良い。それに翻弄されるのが癒しだった。

・千冬(分岐)、シュウ
和気あいあいに見せかけて、内部から実はほころびが出ていた黒蓮会の歪さは、中心となる構成員の真面目さに現れていたのかもしれない。
いつ見ても胃を痛めてそうな千冬、押さえつけた感情が見え隠れするシュウが、度々対立したり協力しあったりするのは何故か常に緊張感があった。千冬のユーゴへの執着とマキへの感情、シュウの組織への思いが複雑に交差して捻じれていくのが見ていてしんどかった。
なので、スペシャルの絵でお菓子を手に、常ににこにこ笑っている千冬がいるのは感動ものですね。作品内での彼の笑顔は、いつも安心できるものではなかったから。

●ヤマダサクラコ先生の絵に華がある
上手い下手問題ではなくある意味才能に偏る部分があるのですが、ヤマダサクラコ先生ってもうとにっかく絵に華があるんですよねー。これってすごい武器だよなあと思う限りで。イベントとか行っても絵柄に華があるかないかで掴みが違うんだろうなと思っています。
あと壮年の男性を描くのが上手だなと思いました。や、最近のBLゲーは概ね皆さん上手なんですが、キャラの書き分けとかすごいお上手だなーと思って見ていました。ともすれば似た感じになりがちなキャラをパキっと色分けできててすごいなーって。

●スペシャル絵が9枚もあるよ
ルートクリアすると出てくるいわゆるご褒美絵、がなんと9枚もあってぶったまげた(正しくは10枚か)。ふ、筆がのっちゃったのかな……?どれも未来もしくは過去を示唆し物語を補完するもので見ていてうれしいです。あとキャラクタ数が多いのでキャラクタが和気藹々してる絵が和む。本編は愛着の持てるキャラクタたちがしんどい状況に置かれることが多いので、派生でわいわいがやがや楽しくしているものが見れればよりうれしいですね。そう考えるとカップリングというよりオールキャラ的な視点で楽しめていたと思います。

丁寧に作られた、ちょっと長いかもしれないけど納得の良作、でFAでしょうか。ご馳走様でした!
2013.11.15.Fri

ゲームの進捗とまどか映画について思うこと補足

タイトルまんまでございます。

●ゲームの進捗どうですか!
評判のいいシニシカントをプレイしておりますー。なかなかわかりやすく、好感触でございます。
ハトアリは、懐かしい気持ちでプレイしたものの、攻略に色々条件があるようで、ちょっと積んでおります。ううむ乙女ゲー駄目周期にでも入ったのでしょうか。ハトアリは旧PC版をプレイしたので内容は知っており設定やキャラや文章のくどさは了解しているのですが。シリーズはもう7年目なんでしたっけ。やはり7年前とは自分の感性が変わってしまったのかなーというのが現在の心境です。
気になったのは、2点です。

・アリスの自意識の細かさ
⇒わかっていたつもりだったのですが、見事に負けました。彼女のトラウマ、というより責任感と警戒心の強さでしょうか。彼女の考えていることはさほど特殊ではなくある意味ニュートラルなんですが、だからこそ刺さってしまい没頭できずな感じです。そんな責任感の強い彼女が恋をすることで、現実逃避(明言されていないのですが)と共に幸せを手に入れるという内容がですね、重いですね。旧PC版当時も異世界トリップもののアンチテーゼ的要素がちょっと話題になって、私自身は頭すっからかんで楽しんでいたので気にしていなかったのですが、なるほどこれは重い話なんだな、と今更痛感しています。
かなりブランクもありましたし、人づての話題ばかりでどういう話か自分がちゃんと理解していなかったなと反省しきりです。

・物語がない
⇒恋愛イベントやサブイベントの数は豊富なんですが、いわゆるお話らしいお話というのがない作品でした。これも失念しておりました申し訳ありません!攻略対象との恋愛は、メイン拠点なら拠点や周辺でちょっと会話し、仲良くなったら部屋に通い、何回か部屋で過ごしキスしたりハグしたり、舞踏会が過ぎたらアリス帰還に攻略対象が恐怖し、すごい勢いでひきとめられる――の流れです。キャラごとに多少差はあるのですが、その間に帽子屋が他のマフィアと戦ったりハートの城が攻め落とされそうになったり遊園地が経営危機に陥ったり等々のドラマチックな展開というのは実はなかったんですね。
なので、ハトアリというのはストーリー部分をそぎ落としキャラの内面とひたすら対峙していくキャラ萌えゲーだったのでした。
だからこそ、旧PC版当時、乙女ゲーはせいぜい遙か3と2くらいしかやったことのない私には非常に新鮮に感じられ、面白い作品だったのだなと思いました。
ここで落とし穴なのが、旧PC版をプレイしているがために、「好きキャラ」と「好きでもないキャラ」が結構はっきりしていて、好きキャラならともかく好きでもないキャラのキャラ萌えイベントを見せられても、自分は楽しめないだろうということが見えてしまった、ということです(ッアー!)むしろ初見のほうが、新しいキャラごとに萌えを見つけていく楽しさがあるんではないかなーと思いました。
ううーん、やはり作品は作品として成立しているので、自分の感性が変わってしまったのが原因ですね……旧PC版以降、たくさん乙女ゲーBLゲーギャルゲー色々堪能してしまったがために色々とわがままにもなり、また、7年前とは考えが違っている部分がありーので。

というわけでやや降参といったところです。
そんなへぼい私はさて置き、何やかんやクロアリとかもリメイクしそうですね(適当)!

!以下まどか映画パンフレットネタバレ含みますのでご注意を!

●まどか映画について思うこと
あの後もう1回観に行ったんですが、1回目の見方はちょっと残酷だったかなーと反省しきり。最後のシーンを見て、やっぱり魔法少女たちは夢があって希望があって誰かの役に立ちたくて頑張っているので、魔女化したりそれが解消されたり理が曲げられたり、自分たちがやられたことを思い出したらどうなるのかなーという気分にもなりました。
なんか未だにレビューとか読んでて、賛否両論の見方について考えていたのですが。
パンフレットにはご丁寧にネタバレ注意のシールが貼ってあり、初回限定は豪華な装丁でこんなことができるのもまどかだからかなーすごいなって思って、見てて面白かったです。
で、新房監督とかが、まどかって、ファンに作ってもらった部分がすごく多い。二次創作もたくさん出たし、ファンがたくさん可能性を考えてくれたから、それに助けられたってことがあり(マミさんが良くお菓子の魔女とセットにされることとか)、叛逆を見て、また色々想像してくれれば嬉しいみたいなことが書かれててました。こういうことをストレートに書けるくらい愛されてることがわかるし、そういうメッセージはディープファンのためのものかなーという気がしました。だから、叛逆はまどか世界で可能性を考えられるくらいのディープファンのためのものだったのかな。と。
で、まどかってコンテンツは、エヴァンゲリオンほどじゃないけど、ライトファンやアニメに親しみがない方にまで浸透した作品になってしまったという側面があるような気がします(特集番組で芸能人が出てくるくらい)。そこまで浸透してライトなファンや、キャラじゃなく作品(ストーリー)として面白いの?って気持ちで見始めた人にとって、そういうディープファン向けの言葉ってどう届くのかな~という気持ちになりました。
見方によっては、ディープファンと制作側に閉じられた内輪ノリじゃないか?みたいな。
ただ、元は深夜アニメなので(っていう言い方も微妙ですが)、ディープファン向けのオタクアニメなんですよね。だからディープファンが喜ぶことを!応援し続けてくれたお礼をしたい!っていう気概はすごく正しいと思うし、そこそこ長く続いたコンテンツって古参ファンは切り捨てて新規をとにかく入れよう!ってするのが定石かなって思うので、その逆(?)に倒したことはオタクに優しいな……って感心してしまったり。
でもそれは、同時に新規の入る隙間を狭めることにもなる。叛逆は新規を誘導するためのきっかけとも思うのですが、それと同時期になるっていうのもすごいですよね。いやエヴァQもある意味そうだったか。
あとは、オタクとして前後編ストーリーに感心感動しつつ、続編を楽しみにしていたディープファンが、実は一番ソウルジェムが濁ったんじゃないかなーという見解です。待ち続け考察を重ね期待した時間が長ければそれだけ絶望がすごそう!
ですが、物語として綺麗に終わらせると、やっぱり良くも悪くも忘れられてっちゃうという未来が待っているので、それを先延ばしにする延命治療をしたほうがいい、まだ続けたい期待されたい、という制作側の願いも強かったのでしょうか。その願いが通ってしまうのがまどかのすごい所なんですけど(笑)
色々書きましたが、今のところ続編の予定は白!だそうです。また派生でこつこつお金を貯めて、上手くいけば映像作品が出るかもーってことなんでしょうね。

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