「Ever17 -the out of infinity-」です。このパッケージを見て、公式サイトにある粗筋で、あるいは私の感想で、この作品をやってみよう!と思う方は多分このサイトには来ないとは思っています。ですが、もし気になるようでしたら、タイトルで検索をしてみてください。きっと大量の感想と考察のサイトが出てくると思います。どのサイトもネタバレに配慮し、熱心にかつ一生懸命語ってらっしゃると思います。それを見てもしやりたいと思ってもらえたなら、私はとても嬉しいです。いや・・・もしやりたいと思うなら、ネタバレは見ないでください。と、どのサイトにもありますので、どうぞよしなに。
テキストの中に専門用語が多く、たくさんの謎が出てきます。すぐに謎を解いてすっきりしたい、癒されたい、救われたいという方には向きません。たぶん・・・。ですが、そこそこ長くても耐えられるのなら多分出来ると思います。
パッケージには女の子しかいませんが、男性キャラを保志さんが演じています。しかも3役も演じ、かっこいい役からちょっと頼りない役、様々な演技が見れますので保志さんが好きならお勧めかもしれません。
粗筋とかは公式とかwikiとか見たほうがわかりやすいかと思います。
・バッドED(武視点)
なんとなくわかっていましたがバッドEDからやりました・・・。つぐみにも空にもいい顔しているからですね。ですが空から好かれながら、つぐみとやっちゃうのには度肝が抜かれました。いきなりそんな不実な!と。しかしそうこうしているうちに状況はひたすら悪化しきっとこのままいったら皆死ぬんだろうなあと思いつつ。ココに血を吐かれ、仲間がどんどこ感染し、最後に見たのは優の血だらけスチル・・・このスチルはわざわざ追加したスチルだそうで、しかもこのスチルがあったために15歳以上推奨になったとか、へんなところの力入れていますね!
そういうわけで全滅EDを迎えました。まあ最初ですから。しかし、最後に、
「生体反応 1」を示す映像、そして「物語はまだ終わっていないなぜならあなただけが無限のループの中にいるから」との表記。
超思わせぶり!あとから調べるとこれがマジで思わせぶりの演出だったと知り軽く絶句。
・つぐみED(武視点)
ツンツンツンツン!デレはどこだ?なつぐみから攻略。なんと彼女、不幸なことに過去に事故にあってからウイルスに感染し死ねない体になってしまったようです。だから実際には17歳の外見で23歳だそうな。触らないで!とすぐに怒るのも、ウイルスが感染するのを恐れていたからなんですね、なるほど。って感じでした。晴れて愛を伝え合い最後は2人で潜水艇で脱出かと思いきやバッテリー切れで武だけ海の中に沈み、最後に見たのは泣き叫ぶつぐみのスチル・・・。やっべ失敗しちまったと思ったらEDリストに「つぐみグッドエンド」が追加されてすごい困りました。そして前述した同じ演出が入り、「1人落としたからっていい気になるな」と言われた気分になり、落ち込む(?)ええーこのあとつぐみんはどうなったのよ。
・優ED(少年視点)
少年の視点に変わりました。同じ事件を、違うキャラクターからのぞくのはなかなか面白いですね。さっきまで武だったので行動が客観的に見れて面白いです。しかしこのマヨってのは?ココはなぜいないの?つぐみの態度がさらに冷たいのはなんで?意味わからん!と思いつつ、優とは一応仲良くなっていきます。しかし優は考古学を選考し色々と専門的な話を持ち出してきてなんだかおされ気味になりました。彼女と付き合いたいプレイヤーとかいるんだろうかとか余計な不安を。もうちょっと馬鹿っぽいほうがとか思っていました。で、今回は唐突に脱出口が見つかり階段を昇って脱出しました。そこで謎を全て優そっくりのお母さん(超若い)に聞いた・・・そして僕と彼女はくっついた、みたいなEDが訪れますが、なんと謎の詳細を説明するシーンがまるっと飛ばされました!
ひどい。プレイヤーだけ置いてけぼり・・・?
PSPの中の2人は幸せそうなのに、私は1人すっきりせずモヤモヤして不貞寝しました(おい)
このあたりから疎外感がエスカレートしました。もう誰も信じるもんか!と。心に誓う
・空ED(武視点)
ゲーム相手に人間不信になりつつ、空を攻略。空は一番可愛くて好きです。彼女はAIつまり高度な人工知能で肉体を持たず、姿は網膜に直接うつしてる仮想の存在です。ですがそれゆえに純粋で、キレたときなんか怖いです。殺そうとしていたよね・・・?(汗)網膜も焼かれそうになった。でもそんな彼女に好きですとか言われると「あ、今、恋愛シュミやってんだな」とノリノリになりました。ですが武と空は同じ人間ではなく、空には触れることさえできない、でも、最後には「触れられなくても好きだ」と思いを伝えます。まあLeMuは半壊で完全に壊れるんですけどね。ですがこれぞ悲恋!触れられない二次元の女の子を好きになるなんて!とめっちゃ感情移入して大泣きしました。ちなみにこれは美少女に恋してしまう恋愛シュミレーションプレイヤーの姿を問題提起したルートらしいです。その事実を知ってあとで軽く死にたくなりました(・・・)
ほっとけよ!二次元好きだっていいだろ!結ばれないだなんて知ってますよ!オタクだもん!
とりあえず空はかわいい!俺、死んだけどね!
でもこのルートでもつぐみとやっちゃってるんだよなあ。不実である
・沙羅ED(少年視点)
結構きたけど何も解決されていない。一体なんなんだ。でも真実が知りたい!とごりごり沙羅を攻略。明かされたのはなんと少年と沙羅は兄妹だったということ。妹だとわかった途端「おにいちゃぁん」と甘えてきますが、残念ながらエロい展開はありません。ほんと純粋な家族としてEDを迎えます。ま、まあ2人が幸せならいいか・・・みたいな。しかし彼女は研究施設に入れられ監視のもと実験とか検査を繰り返されて辛い人生を送ってきたようで、内容が暗すぎます。ムリもないですが・・・
しかしここまできても少年の謎はわかんないままだし、もう不満は募りまくり。最後の生体反応は一体だれ?ココは何故出てきては消えるの?つぐみはどこへ消えたの?と悶々しました。
そして彼女を攻略したあと、「第三視点発動」との記載が。ついに真相がわかるというココ編に突入です。
・ココED(武視点)
全ての道は彼女へ続く。ココ編はとても長いです。武視点ではじめますが、たまに会話がループして、それは武視点と少年視点を行き来しているからだと気付きます。しかしなぜ?最初は緩やかだった視点の切り替えが加速していくとやがてでかいポイント「少年はプレイヤーの知っている少年ではない別の男の子だった」という真実が明らかに。ここはすんごい驚いた。そしてココから
武視点→2017年に起きたLeMu事故を体験している
少年視点→2034年に起きたLeMu事故体験している
と伝えられる。つまりプレイヤーが同じ事件を体験していると思っていた出来事は、まったく別の時間に起きたものだったという・・・では、何故そんなことを誰がしてるのか?という謎も、今まで攻略していたキャラクターの伏線を回収しつつ暴露されていきます。そして、同じ事故を発動させた2017年の優から、「”あなだの存在を発動させるためだ”」といわれます。このあなたとは、武でも少年でもなく、画面の前にいる私だと・・・ゲームのキャラクターから語りかけられるという或る意味シュールな状況に。ゲームの中のキャラクターは時間を行き来できない、だが、ゲームの外にいるプレイヤーなら、時間に関係なく物語りに関与できるというなんかもうSFなのかファンタジーなのかこじつけなのか、でも「すごい」と思わせるストーリーとなっています。
あとは、キャラクターの視点を使い、プレイヤーがハッピーエンドへの手伝いをし、皆、幸せになります。
ココ編は先が気になりすぎてやっぱり眠れなくなりました。
・まとめ
いきなり電波な話なんですが、私は常日頃からどんなにゲームが好きでもゲームのキャラが好きでも、なんかやっぱりゲームの中のキャラに自分がならないときっと満たされないんだろうな、二次元と三次元の壁は永遠になくならないとずっと考えてきました。すいません頭おかしくて。でも、このゲームはそれを逆手にとり、プレイヤーをあくまでただの視点とし、物語の外から関与させ、解決させるという手法をとっていました。
皆、結構私が思ったようなことを悩むのかなとかちょっと考えてもみたり。
だからプレイヤーはいつまでも孤独で、ずっと疎外感がつきまといます。キャラクターになれず、仲間になれず、謎に触れることも許されず物語の外側でずっと1人でループし続けます。物語を解決してもその立場は変わらず幸せになったキャラクター達を見送るだけの存在で終わりました。そしてそれを是とする作品なんです。「”あなた”がいたから幸せになれた」「”彼”のおかげで解決した」と、最後はキャラクター達に感謝されます。
だから安心しました。これでいいのだと。物語の中に入れない、それが正しいというコンセプトの元に作られた作品でした。
はっきり言ってこの作品を目的なしにプレイするのは苦痛です。ですから必ず驚きたい、ココ編まで辿り着くという意思がなければ投げてしまうことでしょう。
謎の解決のトリックには卑怯だったり強引だったりするものもありますが、それを最後まで隠し通しココ編で全て暴露するために仕掛けられた物語ですので、それを堪能したいという方は是非挑戦してください!
しかし、結局生体反応が誰なのか、ヤミオニで缶を蹴ったのは誰なのか、公式から発表されてないんだそうで皆勝手に考察してるな。あれはプレイヤにゲームをやめさせないただの演出らしいですが。ちょっとひどい。それが一番気になるっていうのに、ね!
ゲームのBGMで一番すきなのか「karma」です。そのタイトル通り、業に溢れた物語です。
少年漫画の厨二病って、「神をも冒涜する理論」とか色々出てきますけど、まさにそんな感じで私は大好きでした。(厨二病をこじらせてるため)。命を操作し、人を弄び、人生を狂わせてそれでも生きてるって素晴らしいと・・・保志さんが熱心に語ってくださいます。
というわけで乙女にどう勧めていいかわかんないので、保志さんが好きな乙女のあなたにおすすめ!
投げても責任はとれませんが\( ^ヮ゜)>